ホーム > ビジネス書 | 書籍のご案内 > TLOとライセンス・アソシエイト

TLOとライセンス・アソシエイト
新産業創生のキーマンたち

»ご購入方法
TLOとライセンス・アソシエイト

著者: 渡部 俊也・隅藏 康一
定価: 本体1,800円+税
発行: 2002年4月
四六判上製・320頁 在庫なし

「技術移転の父」と言われるスタンフォード大学のニールス・ライマース、青色LEDの発明者中村修二、CASTI(東大TLO)の代表山本貴史などの軌跡を追いながら、いかに大学の発明技術を社会に送り出すかを興味深く説く。2002年日経BP「Biz Tech図書賞」受賞作。

隅藏 康一のホームページ

表彰式の模様はこちらから

著者紹介

渡部俊也(わたなべ としや)/東京大学教授・工学博士
1959年東京都生まれ。東京工業大学修士課程卒業後、東陶機器株式会社に入社。1998年より東京大学客員教授、東大TLOであるCASTIの設立を支援。2000年には材料のインキュベーション会社である株式会社ASTIを設立し代表取締役社長に就任。現在、東京大学先端科学技術研究センター教授。専門はナノテクノロジーを中心とする機能材料と産学連携、知的財産。
主な著書:『光クリーン革命』(シーエムシー、1997)、『光触媒のしくみ』(日本実業出版社、2000)他、機能材料、テクノロジーマネジメント、産学連携等に関する著作、論文、総説、国際会議での発表多数。
表彰:静電気学会進歩賞(1989)、Innovation in Real Material Awards(1998)、日経BP技術賞(1998)、DR. Ulrich Awards(2000)

隅藏康一(すみくら こういち)/政策研究大学院大学助教授・工学博士
1970年東京都生まれ。東京大学理学部生物化学科卒、同修士課程を修了後、東京大学先端科学技術研究センターにて生命工学の研究で博士号を取得。「知的財産マネジメント研究会(Society for Management of Intellectual Properties; smips)」を主宰。2001年より政策研究大学院大学助教授、ならびに東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。
主な著書:『先端科学技術と知的財産権』(発明協会、2001)、「これからの生命科学研究者のためのバイオ特許入門講座」(羊土社『Bioベンチャー』誌の連載、2001−2002)他、産学連携、知的財産に関する論文、寄稿、国際会議での発表多数。

主な内容

プロローグ1 ニールス・ライマースを抜きにして「技術移転」の歴史は語れない
ライセンス・アソシエイトたちの祭典/燦然と輝く大ヒット

第1章 産学技術移転の金字塔、コーエン/ボイヤーの遺伝子組み換え技術
それはニューヨークタイムズの記事から始まった/プロセスだけでなく、プロダクトも特許出願/希望するすべての企業にライセンスを供与/最後の2週間に駆け込み契約が続いた/パイオニア企業、ジェネンテックの誕生/横槍も入った/2億5000万ドル以上の収入をもたらした/ 産学技術移転に大きな注目が集まった

第2章 道なきところに道をつくった
技術移転の父、ニールス・ライマース/母校、スタンフォード大学へ/スタンフォード大学とシリコンバレー/ライセンシング・オフィスの設立を提案/大事なのは発明の売り込みだ/パイロット・プログラムがスタート/スタンフォードTLOの船出/商品化第1号のセルソーターが飛躍のきっかけに/順調な滑り出し

プロローグ2 ノーベル賞に最も近い男…中村修二
一通の電子メール/ 優れた研究者を引きつけるしくみ/大学が研究の事業化を奨励

第3章 世界を驚かせた「高輝度青色発光」
巨大市場を左右する高輝度青色発光/誰も研究していない窒化ガリウムを選んだ/中村、キレる/フロリダ大学へ留学/青色LEDが産声をあげた/明細書作成に手こずった/膨大な出願に対応、特許庁が地方審査を/緻密な特許戦略の構築が必要

第4章 特許紛争、勃発!
すべての問題は「大学TLO」につながる/米国では産学が密接に交流/「新しい価値」を自らの手で/日亜化学対豊田合成/クロスライセンスを拒否/どのくらいの事業規模まで独占が許されるのか/難敵、米国クリー社/日亜化学が中村を提訴/中村が反撃を開始した/発明者の権利を重視した画期的な判決/発明者への報償は手厚く/注目集める中村の訴訟/大学研究者の発明は個人に帰属か、大学に帰属か/知的財産と発明者が重視される社会へ/特許法35条は必要か/産学連携こそ解決策の一つ

第5章 バイ・ドール法が技術移転に拍車をかけた
独占的ライセンス供与が製品開発の原動力/発明の広範な利用が可能に/これこそ、人生だ/ライセンス・アソシエイトの連携組織が生まれた/「パテント」から「技術マネージャー」へ/バイ・ドール法の成立を後押し/FMシンセサイザー技術をヤマハにライセンシング/発明が次の発明を生む「知的創造サイクル」を実現/技術移転はサイエンスとビジネス、法律の境界領域だ

第6章 マーケティングがキーポイント��
ライセンス交渉の達人/使用分野を限定したライセンス契約/金曜日の午後にはパーティーを/部下に積極的に声をかけた/発掘から契約まで一人のライセンス・アソシエイトが担当/ライセンス料の決め方は/ライセンシングは人とコンタクトをとるスポーツだ/1週間に60〜70人とコンタクトをとった/発明者からの情報を重視/一番重要な判断基準は「市場性」/産業界との結びつきが強まると、利害の衝突が生じる/学生を企業活動に巻き込むな/教授のコンサルティング活動を認めるか/教授は企業の取締役を兼務してもいいか/教授が関係する企業へのライセンシングは

第7章 ライマースのマーケティング・モデル、全米へ
ライマースに白羽の矢が立った/プロフェッショナルが揃ったMITのTLO/積極的に起業を支援/TLOが「技術融合の場」に/大学からの起業を支えるインキュベーター/ライマース、カリフォルニア大学バークレー校へ/設立から7年後に、やっとロイヤリティ収入が/起業支援の取り組み方は、さまざま

第8章 「人」を見つけ、「人」を育てる
/カリフォルニア大学サンフランシスコ校に招かれた/いい人間関係を築けるか/公平で正直な関係を結ぶことを重視/最適の人材をいかに見つけるか/文章力でわかる「発明の性質を翻訳するスキル」/キーポイントは「人と接するのが好きなこと」/失敗を恐れるな、自分で判断せよ/ビッグヒットは、ごく一部にすぎない/ロイヤリティとして株式を受け取るケースも/1件ごとにマッチング/時代は「ワンストップショッピング」へ/新しい「大学と産業の関係」を構築/ガマン強さが肝心だ

第9章 日本にもライマースの後継者が…山本貴史の挑戦
日本のTLO事業の旗手、山本貴史/学生時代は「技術移転論」ゼミに/リクルート批判が入社のきっかけ/伝統の「100社飛び込み営業」で鍛えられた/企業の未来見据えた「コンサルティング営業」/企業内コミュニケーションに着目/自身の「アイデンティティ」を考えはじめた/「技術開発」への指向性が芽生えた/「人」ではなく、「ナレッジ」を流通させよう/日本も特許重視政策に転じた/日本には技術移転のモデルはなかった

第10章 米国と日本、二つの道が交差した
「技術移転の巨人」との出会いが実現した/「日本でやるのは、たいへんだよ」/あなたは「技術移転の父」/スタンフォードとは対照的なカルテックモデル/スタートしたときは、たった一人/ライマースとコンサルティング契約を結んだ/コミュニケーションと営業力がコア・コンピタンス/柔らかいコミュニケーションを/「知的財産権の活用」が焦点に/日本の技術移転は惨憺たる状況だった/「技術移転促進法」が施行された

第11章 日本初の本格的TLO、CASTI(東大TLO)誕生
/「起業」こそリクルート社員の真骨頂/2人の同志が加わった/既存事業とシナジー効果が/「技術移転」の取引所めざす/最初の移転実績は「複雑系シミュレーター」/TLOが交通整理/積極的に「事業提案」を行った/発明そのものが私たちのボス/「発明」と「事業化」のギャップを埋めた/山本と東京大学が出会った/「日本で初めて」に挑戦する先端研/なぜ東大を選んだのか/山本をヘッドハント/CASTIへの移籍を決めた/独自の技術移転モデルを打ち立てた/ライセンス・アソシエイトは「お見合いのおばちゃん」

第12章 大学発ベンチャーの挑戦
どうすればベンチャー創業が盛んになるか/だれもがヒューレット・パッカードをめざした/不景気の影響で、優秀な企業研究者が大学に移った/流出した原油を光触媒技術で分解/他の企業に技術獲得の意向を確認/光触媒の事業化を断念/ごく普通のビジネスマンを起業家に/3度目の正直、バイオセンサ技術/どこまでが大学、どこからが企業での仕事か/隠しごとをしないこと、信頼関係を築くこと/特許出願費用は企業に転嫁/政府の助成金に助けられた/「決断」のときが来た/ベンチャーキャピタルから資金調達に成功/大学との提携がなければ、事業展開は不可能だった/ダブルメジャーを持て

第13章 全米で最大規模のライセンス収入、コロンビア大学とNIH
カリフォルニア大学を上回る/遺伝子工学の研究ツールが最大の収入をもたらした/特許保有者が共同でライセンス保有・管理会社を設立/コロンビア大学が組織づくりをリード/スタートアップ企業の株式を保有/一人が年間15件程度の発明を担当/米国バイオ研究の中核、NIH/連邦技術移転法が政府機関からの技術移転を促進した/どんなプロセスをたどるか/公衆衛生の向上に寄与するかどうか/リサーチツールは特許化しない/「リーチスルー形式」の契約は行わない/優先的に独占的ライセンスを受けられるCRADA/ライセンス・アソシエイトの仕事は、きわめて幅広い

第14章 日本にも「技術移転」の新しい潮流が
日本にも「促進法」以前に技術移転の成功例があった/モノより知的資産の価値が上昇 /スポークモデルはライセンス・アソシエイトの負担が大きい/大学の試作工場をつくった/大学教員がつくったテクノロジー・インキュベーター/米国には学生のビジネス組合も/ベンチャー創業支援の会社を設立/将来はリエゾン事業の核に/就職難に直面する理工系の若手研究者/「知的財産マネジメント研究会」が発足/新しいネットワークが姿を現した

第15章 「技術移転」は日本経済を救えるか
日本でもTLOが続々登場/TLO協議会が発足/次々に成果生むCASTI/すでに製品化されたライセンスも/ベンチャー創業の希望は強い/創業意欲に水を差す細かな指導/失敗は、ちょっとした傷のようなもの/「技術移転」自体がリスクの高いベンチャー/真のベンチャーファンドが少ない!

エピローグ 君が未来を変えていく
「失われた10年」以前に多くのものを失っていた/「産学連携の春」を「規制の冬」に戻そうとする無謀な試み/大学が国立である必要はない/技術移転は未来に「絵」を描く仕事

あとがき

産学連携ブームであるという。たしかに新聞紙上では技術移転やTLOの記事が多くなった。政府が産官学連携サミットを開催したり、大学からベンチャー1000社を生み出そうという掛け声をかけたり喧しい。おかげで、「産学連携は行き過ぎだ。この辺で少し立ち止まったほうがよい」というような意見まで聞かれるようになった。しかし実態はどうであろう。本書では米国の産学連携と日本で最も成功している例を軸に紹介した。

日本全体ではようやく大学の研究者が特許をぽつりぽつりと出し始め、いくらかの技術移転がなされ始めたにすぎない。多くの一般の企業人はまだ大学とつきあうことは考えていないし、TLOをはじめ技術移転事業に飛び込む若者もまだ少数派である。
産学連携に必要な政府・大学の役割は唯一規制緩和であり、そしてなにより大切なのは産学連携事業に飛び込もうとする起業家たちである。
産学連携は従前のアカデミックな研究を否定するものではないし、むしろ規制緩和がなされて産業界と多くの取引が行われるようになれば、アカデミズムに根ざした高い知見が大学にとっていかに重要か、これこそ大学のコア・コンピタンスであるということに否応なく気づかされるであろう。特に国立大学の場合、法人化を機に適切な規制緩和が行われることは必須である。

しかし「産学連携をやってもよい」という制度改革は第一歩にすぎない。その先に広がる「挑戦と夢」が本書のテーマである。そして徐々にではあるが、若い起業家たちが大学の周辺に集まりつつある。大学の中からもベンチャーを作りたいというような新しい動きも出始めている。
大学に籍を置くものとしては、学術書を書かなければ学術業績にはならないであろう。
しかし今、産学連携・技術移転を推進するには、なによりもできるだけ多くの人に産学連携や技術移転の魅力的な起源と意義を知ってもらい、新しい知識社会の担い手になっていただくことが大事だ。そうした思いが書かせた啓蒙書が本書である。

この本を読まれた読者の中から、TLOや産学連携事業の担い手、企業側の産学連携パートナー、または大学から新たな技術を生み出す研究者が育つことを祈念したい。
本書の執筆にあたっては、一般向けのわかりやすい本にすることを第一に考えたため、詳しい内容を省略した部分も多い。詳細は参考文献を参照されたい。
なお、渡部がプロローグ2、3・4・9・10・11・12・14・15章を、隅藏が、プロローグ1、1・2・5・6・7・8・13章を主に執筆した。

ニールス・ライマース氏、山本貴史氏、中村修二氏をはじめ、取材に協力していただいた方々には貴重な時間を頂戴し、大変感謝している。なお、本文に登場した方々については、すべて敬称を省略させていただいた。
また本書の制作・編集にあたっては、ビーケイシーの皆様、ならびに岡林秀明氏に大変お世話になった。心から感謝の意を表したい。

2002年2月
著者一同

このエントリーを含むはてなブックマークはてなブックマーク - TLOとライセンス・アソシエイト この記事をクリップ!Livedoorクリップ - TLOとライセンス・アソシエイト Yahoo!ブックマークに登録 BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク @niftyクリップに追加 このエントリをつぶやくこのWebページのtweets Share on Tumblr FC2ブックマークへ追加 newsing it! この記事をChoix! Googleブックマークに追加 Bookmark this on Delicious Digg This FriendFeedで共有

ご購入方法

ビーケイシーの出版物は、お近くの書店でお求めになれます。書店に在庫がない場合、注文すれば取り寄せることができますが、2週間近くかかることがあります。お急ぎの場合、次の方法がありますのでご利用ください。

  1. ネット書店(amazon等)で申し込む。この場合、各ネット書店の手続きに従ってください。
  2. ビーケイシーにこのホームページから直接申し込む。発送に2週間近くかかることがあります。また、この場合、送料・代引き手数料・振込手数料等が別途かかります。

ネット書店で
今すぐご購入 »

この本を買った人はこんな本も買っています

ビジネス・バカを極めろ
ビジネス・バカを極めろ
がんとわたしノート_表1
がんとわたしノート
貸金業の真実
貸金業の真実
希望の経営学
希望の経営学

コメント:0

コメントフォーム
入力した情報を記憶する

トラックバック:0

この記事のトラックバック URL
http://bkc.co.jp/2002/04/382.html/trackback
トラックバックの送信元リスト
TLOとライセンス・アソシエイト - 株式会社BKC より

ホーム > ビジネス書 | 書籍のご案内 > TLOとライセンス・アソシエイト

ページの上部に戻る