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検証 過払い
多重債務問題の解決にならない過払金返還請求の実態

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検証 過払い

著者: 地域経済活性化研究会
定価:本体 1,500円+税
発行: 2009年12月21日
A5版・136頁 在庫なし

著者紹介

地域経済活性化研究会
地域密着型で貸金業を行ってきた有志により結成された任意団体

地域経済活性化研究会 理事長
中島 拓
(㈱拓成代表取締役社長。ライフワークは国際貢献運動。NPOロフィアの専務理事として、学校、商工会議所等で金銭教育講座を行っている)

地域経済活性化研究会 副理事長
知念 太郎
(㈱ジャパンクレス代表取締役社長。ライフワークは人材育成及び故郷沖縄の振興。那覇商工会議所金融部会常任委員、沖縄国際大学非常勤講師)

主な内容

「ふざけるな、過払いビジネス!」ノンバンク市場を崩壊寸前に追い込んだ判決と、巨額脱税を犯してまでも過払いに群がる一部の強欲弁護士や司法書士。地域経済活性化研究会がここに過払いの実態を明らかにする。債務整理を考えている方にも必読の一冊、緊急出版。

第1章◆過払金返還請求とは何か
1.悪夢は突然始まった
(1)国際的に通用するKABARAI
(2)きっかけは「商工ローン問題」
(3)日常的に経営不安にさらされる貸金業者
2.他の契約では考えられない、海外では理解されない
(1)タクシーに乗ってバス料金との差額を請求?
(2)リスク・テイクの違い
3.法の大原則「過去に遡及しない」「取引の安全性」を完全無視
(1)日本は信頼できない国
(2)法の大原則
(3)長年の業者の努力はどう評価するのか

第2章◆過払金返還請求で何が起こっているか
1.影響は7年分の納税額規模
(1)増え続ける返還金
(2)中堅・大手も資金繰り困難に
(3)影響はクレジット・信販業界へも
2.急速に縮む市場
(1)進む与信の厳格化
(2)縮小の実態
(3)小規模事業者の資金繰り困難に
3.広がる地域格差
(1)急激に縮小に向かう貸金業者
(2)地方に回らない資金
4.「過払いバブル」といわれる理由
(1)過払金返還請求に群がる一部の弁護士・司法書士
(2)出さざるを得なかった日弁連の「指針」
(3)国税庁の調査

第3章◆過払金返還請求の歴史
1.利息制限法(1954年)
(1)利息制限法4つのポイント
(2)立法主旨
(3)利息制限法と出資法の役割
2.1条2項の趣旨を翻した最高裁判決(1968年)
(1)1968年の判決に至るまで
(2)1968年の判決
3.貸金業規制法43条(1983年)
(1)消費者金融業の台頭
(2)利息制限法に関する議論の再燃
(3)貸金業規制法の施行
(4)貸金業規制法43条の趣旨
4.市場拡大後の最高裁判決(1999年)
(1)バブル崩壊以後の消費者金融市場の推移
(2)転換点となる19999年の判決
5.商工ローン問題を契機とした訴訟の増加から2006年1月13日判決まで
(1)2006年判決につながる2004年商工ローン問題判決
(2)43条を空文化した2006年1月13日判決
(3)滝井裁判官の意見
6.法改正とその後の最高裁判決
(1)貸金業関連法の改正と相次ぐ厳しい判決
(2)司法判断に変化の兆しも

第4章◆過払金返還請求と多重債務問題
1.過払金返還請求を容認する背景
(1)イメージ先行の業界への見方
(2)ヤミ金融問題
2.「深刻化する多重債務問題」とは
(1)多重債務に対する一面的な見方
(2)「多重債務者200万人」の根��
(3)自己破産者問題
3.「誰にでも貸している」という誤解
(1)「過剰融資」という批判
(2)多重債務対策としてのセーフティネット貸付制度
4.「この金利で事業が成り立つわけがない」という誤解
(1)事業者向融資に対する欠落した視点
(2)地方における事業者向融資の利用者像
5.過払金返還請求で多重債務は解決するか
(1)多重債務問題は解決に向かっているか
(2)過払金返還が多重債務の解決につながらない実態
(3)法的対応だけでは生活再建はできない

第5章◆多重債務救済に必要となる公平な実務のあり方
1.過払いを容認することはできない
(1)誤っている前提
(2)過去に遡って否定するという無理難題
2.現在の過払い実務は公平ではない
(1)結果に違いが生じる債務整理
(2)多重債務者救済の原則
3.基本は教育と相談窓口
(1)国の救済・防止の提言
(2)改正法は改善を進めたか
4.公平な債務整理のあり方とは
(1)ルールの整備
(2)抜本的な解決に向けて

資料編
資料1 過払金返還請求に関する立法措置と最高裁判決
資料2 過払金返還請求に関する最高裁判決における判決文
資料3 利息制限法制定に係る国会答弁
資料4 貸金業規制法に係る国会答弁
資料5 財団法人大蔵財務協会『新訂 貸金業法のすべて』から43条解説部分の抜粋
資料6 都道府県・財務局別登録業者数
資料7 事業者向貸金業者の約定金利別事業者向貸付残高及び件数
資料8 消費者向無担保貸金業者の約定金利別消費者向無担保貸付残高及び件数
資料9 業態別消費者向無担保貸付残高及び事業者向貸付残高

はじめに

このたび、私たち地域経済活性化研究会(地域研)は『検証 過払い〜多重債務問題の解決にならない過払金返還請求の実態〜』を上梓することとなりました。
私たちは本書で、過払金返還請求の基本的な問題点を明らかにするとともに、この返還請求行為が「過払いバブル」と揶揄(やゆ)され、一部の弁護士・司法書士の新手のビジネス手段として利用されている問題点や、過払い行為が必ずしも多重債務問題の解決に繋がっていない実態を示すとともに、真の多重債務問題解決に繋がる、公平・公正な債務整理のあり方について提言させていただいています。
私たち地域研は、地域密着型で貸金業を行ってきた有志により結成された任意団体であり、メンバーの多くは現在も中小零細企業や自営業者を対象とした事業者向けの貸金業を営んでいます。
ところが、上限金利の引下げと総量規制を柱とする法改正が行われたことに加え過払金返還請求が急増した結果、貸金業者は今までのように顧客のニーズに応えることができなくなり、そしてその結果として中小零細事業者は以前のような借入ができなくなり、資金繰りに行き詰った事業者が急増してしまいました。
その影響は経済的に弱い地方ほど顕著に表れ、小規模零細企業や自営業者などの倒産、廃業が増加し、地方経済にとって無視することができない状態になっています。

政府は1998年の特別保証制度を真似て、2008年に緊急保証制度を実行しましたが、中小零細事業者や商店はこの特別保証制度の申込基準を満たしていないケースが多く、また、また政権交代後の2009年12月3日には亀井金融大臣肝いりの「中小企業金融円滑化法」(借入金等の返済猶予)が公布、翌4日には直ちに施行されましたが、そもそもこの法案は、金融機関からの融資が受けられなかった零細事業者にとっては使い勝手のない法律なのです。
政府の支援策からは蚊帳の外に置かれ、金融機関からの融資も受けられない、さらには頼みの綱であるノンバンクも改正貸金業法のダメージが大きく資金需要者のニーズに応えられない、そのような環境下で、中小零細事業者の資金繰りはどの程度悪化していったのでしょうか? 倒産や廃業はいかほどまでに増加していったのでしょうか?
民間の調査機関は、毎月の倒産件数を発表し景気動向を論じてはいますが、残念ながらこの調査は資本金1,000万円以上の企業が対象であり、資本金 1,000万円未満の中小零細事業者の倒産や廃業についての数値を推し量ることができません。
そのため私たち地域研は、貸金業法の改正によりノンバンクが零細事業者に対してこれまでのような柔軟なサービスが提供できなくなった事実や、仮に総量規制が実施されれば、個人のみならずこの規模の事業者にとって資金調達に大きな影響と混乱を及ぼすことについて、実態調査に基づいた数値をレポートとしてまとめ、各方面に発信・提言する活動を行ってきました。
その過程において、現在の混乱を招いている要因のひとつであり、むしろ法改正以上の影響を及ぼしている「過払金返還請求問題」についても、私たちとしては何らかの分析と意見発表が必要ではないかとの認識がまとまってきました。
そこで、私たちは今回、敢えて過払金返還請求だけに焦点を当てて、そもそもこの問題がどのようにして発生したかについて歴史的経緯も明らかにしながら、その理不尽さについて問題提起を行うために本書をまとめることとなりました。

本書の主な内容は以下の通りとなっています。
第1章「過払金返還請求とは何か」では、2006年1月13日の最高裁判決を契機として急増した過払金返還請求がどのようなものであり、それがいかに経済活動において理屈に合わないものかを問題提起しています。
第2章「過払金返還請求で何が起こっているか」では、過払金返還請求が急増した結果、貸金業市場がどれほどの縮小を起こしているかをデータから明らかにしています。また、「過払いバブル」により一部の弁護士・司法書士の間で起こっている問題についても指摘しています。
第3章「過払金返還請求の歴史」では、1954年の利息制限法施行以来続いてきた、利息制限法を超える金利の取扱いについての司法と立法の対応を明らかにし、さらに貸金業規制法43条を空文化し過払金返還請求を容認するに至った最高裁判決が、どのような考え方のもとになされたのかを当事者の言葉に基づいて検証しています。
第4章「過払金返還請求と多重債務問題」では、多重債務問題解決の手段として有効と思われている過払金返還請求が、実は真の解決には成り得ていないという実態を示し、法改正の目的ともなった多重債務問題についても考察を加えました。
第5章「多重債務者救済に必要となる公平な実務のあり方」では、過払金返還請求は請求者にとって公平・公正な結果をもたらしていないことを指摘し、本来の債務整理とはどのようにあるべきかについて提言を行っています。

私たちは、本書が現在安易に過払金返還請求を考えている方々の警鐘に繋がると同時に、真の多重債務者救済政策を考える方々の参考資料として活用されれば幸いに存じます。
なお、本書作成にあたり、ご協力いただいた関係者の皆さまに厚く御礼を申し上げます。

2009年12月
地域経済活性化研究会
理事長 中島 拓

あとがき

多重債務問題を善悪で片付けるのは簡単な方法ですが、「いい仕事と悪い仕事」という区分けは先入観に基づくものであって真実を見誤ることがあります。私は「いい仕事と悪い仕事」ではなく、「いい会社と悪い会社」によって判断すべきだと思っています。つまり医療はいい仕事、貸金業は悪い仕事ではなく、いい医者もいれば悪い医者もいる、いい貸金業者もいれば悪い貸金業者もいるということです。そして社会に必要と認められなくなった仕事と会社は利用者から見放され淘汰されるというだけです。
銀行は、お金に余裕があり、お金を運用したい人からお金を預かり、お金が足りない人に仲介し利息をいただく仕事です。また、一般的な貸金業者はその銀行から借り入れたお金を銀行から直接借入できない人に対して銀行以上のリスクを負い、そのリスクに見合った利息で仲介します。
利息は貸し付けたお金が、将来返済される可能性に応じて決定されるものです。全てが返済されることを見込むと、貸付できる対象は極めて限定されます。そこで残念ながら必ず出る一定のロス(不払い)を見込むことによって、貸し付けの対象範囲は広がります。
2006年1月13日、貸金業者が対象としていた出資法に基づく利息が、法律ではなく裁判所によって否定されるという考えられないことが起こりました。「過去に遡及しない」「取引の安全性」という法の大原則を完全に無視した最高裁判決が出されたことによって、これまで認められていた利息が認められないということになってしまいました。
つまり「貸金業は悪い仕事」と烙印を押されてしまったのです。
貸金業界が淘汰されることによって、本当にいい社会になるのなら、それは正しいことです。しかし貸金業界が崩壊したからといって、多重債務者が多重債務に陥ってしまった根本的原因が解決されることはありません。なぜなら多重債務に陥るのは一部の利用者であり、そもそも多重債務者問題の根本原因は、悪い貸金業者の貸付姿勢と利用者本人の資質の問題によるところが大きく、それに外部環境として経済の低迷による失業や低所得がからんだために起こったものだからです。逆に貸金業界が過払いや法改正によって淘汰されることによって、多くの健全な利用者の健全なニーズに基づく資金需要を満たせない、といった大きな問題が起こります。
「三方よし」を哲学にして成功した近江商人の三方とは「売り手よし、買い手よし、世間よし」であり、売り手の存在は必要不可欠な存在であり、貸金業界も多くの健全な利用者の健全なニーズがあったからこそ、生かされ続けてきた業界なのです。
本書は、2006年1月13日の最高裁判決がもたらした社会への影響をできるかぎり客観的にとりまとめ、一人でも多くの人にその事実を正確に知っていただくことを目的に出版したものです。
地域経済活性化研究会は、「地域経済における庶民金融業の使命」を果たすため、これからも必要とされるいい貸金業者と、健全な利用者が共存共栄し続けられる社会の実現のため努力し続けて参ります。
我々の活動に少しでもご理解賜わることができますれば望外の幸いです。

2009年12月

地域経済活性化研究会
副理事長知念 太郎

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