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希望の経営学

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著者: 竹内 倫樹
定価: 本体1,600円+税
発行: 2010年7月
四六判上製・244頁

明日への希望は、人間や社会を変革する力になれる。一般的な幸福論や希望論ではなく、企業とそこで働く人たち、経営者や従業員はもとより、顧客や取引先、株主や金融機関など、関わる人すべてにとっての『希望』を明らかにし、それを力に変えるプロセスを示す。

著者紹介

竹内 倫樹(たけうち つねき)
長野県生まれ。早稲田大学卒業後、部品メーカーの取締役を経て、1978年からコンサルティング活動を開始。産能大学総合研究所主任研究員を経て、 1991年に㈱ソシオテック研究所を設立、現在、同社代表取締役会長。元トヨタ企業塾塾長、現在、神奈川サイエンスパーク(KSP)ビジネスイノベーションスクール(BSI)校長。経営戦略の策定から実践まで、日本のトップ企業のビジネスステージを総合的に演出する手腕は、財界リーダーからも高く評価されている。
主要著書:『ビジネスマンは不況で進化する』(にっかん書房)、『和魂洋才の経営学』『日本語で考える経営』『人間力の経営』(以上、ビーケイシー)他。

〔連絡先〕
㈱ソシオテック研究所
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-10-10ハイックス平河町
TEL 03-3261-4520 FAX 03-3261-4522
http://www.socio-tech.jp/

主な内容

第1章 現実の直視
1 日本経済、一流からの転落
2 前門の虎後門の狼
3 希望学誕生の背景
4 世界の新構造への胎動
5 ローマは一日にして成らず
6 忘れられた成功の法則
第2章復元への足掛かり
1 実験経済学から行動経済学へ
2 セリグマンのポジティブ心理学
3 新重商主義の時代
4 計画におけるグレシャムの法則
5 ニューパラダイムの実践
第3章 ダウントレンドの原��
1 『ミドルマネジャー白書』から
2 ミドルマネジメント・クライシス
3 鉄は熱いうちに打て
4 知価社会への適応
5 近代の創造に学ぶ
第4章 夜明け前
1 東アジアが変わる
2 ポスト金融資本主義
3 グリーン・ニューディール
4 国際生存競争
5 観・想・志・恒なるを要す
第5章 新たな萌芽
1 GAAPとIFRS
2 クラウド・コンピューティング
3 スマートグリット構想
4 群雄割拠のEV新時代
5 体質勝負の新グローバル経営
第6章 進路決定の条件
1 成功体験の否定
2 非連続の仮説設定
3 理想は高く足は地に
4 プロセス設計の重要性
5 継続は力なり
第7章 物学としての温故知新
1 変革三態とスキルアップ
2 八〇年代の閉塞感
3 二つの問題解決とオプション
4 創造的破壊のススメ
5 弱い連携による学習
第8章 未来創造のマネジメント
1 既存事業の革新
2 十年の計、終身の計
3 戦略と戦術の行使
4 変革プロセスと三層経営
5 意識改革が成功の証
第9章 挑戦への出発
1 谷深ければ山高し
2 不況からの脱出
3 中国が先頭を切る
4 経営の不易と流行
第10章 希望に向けて
1 国家としての再生
2 企業が抱く希望
3 三人寄れば文殊の知恵
4 経営者は夢を語れ
5 希望という名の明日を求めて

はじめに

世の中は諸行無常である。何事も常に変化し、現在にとどまることはない。生あるものは死を迎え、幸せな人もそれが永遠に続く保証もない。先人たちが述べている通りである。好調であった経済も時の流れとともに不景気となり、不景気はまた努力の果てに、好調な経済へと戻っていく。相場ではよく、谷深ければ山高しと言われたものだ。しかし、このような不況下に実在する私たちとしては、妙な達観で事態をやり過ごすわけにはいかない。不況であれば自分自身が変化し、進化しながら、このような状況を一刻も早く脱却せねばならない。
二〇〇八年九月一五日、一八五〇年の創立から一世紀以上を経た名門投資銀行・証券会社のリーマン・ブラザーズが倒産した。負債総額は史上最大の六一三〇億ドル(当時のレートで六四兆五千億円)、グリーンスパン前FRB議長が「百年に一度の不況」と呼んだ世界金融危機の始まりである。
国内総生産の二割五分を金融と不動産に委ね、国民一人あたりの国内総生産は世界五位と、小国ながら繁栄を誇ったアイスランドは、直後にグリトニル銀行が破綻し政府の管理下に置かれ、通貨クローナの対ユーロ相場は急激に下落し、翌月には国内の全銀行を国有化せざるを得ない事態へ陥っている。漁業を中心とした寒村へとアイスランドの風景は一変した。
日本でも金融機関を筆頭に大手企業の財務を直撃し、倒産へ至る企業も多かったが、派遣労働者の雇用を打ち切ったり、地方の生産拠点から撤退したり、緊急の防御策を講じる企業も少なくなかった。その結果、街には失業者が溢れ、景気は低迷し続けている。
このような背景には、急激なグローバル化への進展、行きすぎた市場主義、アメリカ型企業統治への過剰適応、ネットワーク社会の未成熟、ナショナリズムの台頭など様々な要素がかいまみられる。明らかなのは、リーマン・ショックにはじまる不況が未曾有の景気後退を招き、各国政府の様々な介入にもかかわらず、全体としてこの状況から脱却できていないことである。
このような中で大いなる示唆を与えてくれたのが、『希望を語る』(東大社研・玄田有史・宇野重規編、東大出版会刊)という一冊の本であった。これは全四巻の『希望学』第一巻で、社会科学への新たな地平へと説明されているように、従来は心理学の範疇に収められていた希望という概念を、社会科学の各分野の研究者が考察を試み、具体的な例証を踏まえて捉え直す壮大なプロジェクトであった。
製鉄の街として栄え、ラグビー日本一で名を轟かせた釜石は、溶鉱炉の火が消えると共に衰退した。八方塞がりの状況から、いかに釜石は再生へ向かったのか。そのプロセスを追うフィールドワークを踏まえ、希望の社会構造を明らかにするチャレンジであった。
編者の一人である玄田教授は「かつて希望は社会の前提だった」と語る。その思いを原点に学際的な観点から考察しようと、世界初の総合的な研究「希望学」として補助金事業に申請したが、最終結果は不採択となった。意味も定義も絞り込まれていないテーマだったが、この重要性を胸に秘めていたのは玄田教授だけではなかった。東大社会研究所内で議論は積み重ねられ、やがて独立学問領域として自主的に推し進められた。
行間から伝わってくるのは、人を幸せにする社会を最優先させる意思である。それは奇しくも私たちが二〇年前に提唱し、数多くの企業に成長と発展をもたらしたビジョンマネジメントと、相通ずる概念でもある。「先義後利」を信念とし、ビジョンを掲げ、プロセスを重視することで、利益は自然に生まれてくる。経営においては「人事は戦略に先行し、教育は人事に先行する」のである。希望を実現するのは他ならぬ人間だからである。

どのような厳しい環境でも、腹を割って語り合える仲間がいて、揺るがない確信に支えられていれば、人も組織も間違いなく新しい地平を切り開ける。そのための前提になるのは、等身大の現状を知り、そこで抱えている問題を愚直に解くことである。
この時に重要なのは、長期的な目で複層的で多様性のある視点をもつことである。ヒマラヤ山脈に位置するブータンでは、ジグミ・シンゲ・ワンチュク元国王の提唱で、国民総幸福量という経済とは異なる価値で政策を展開している。国民総幸福量とは、幸福と感じている国民の比率のことであり、ブータンでは六八%の人が幸福であると感じているそうである。
難しいのは、どのような状態を幸福と認識するのか、それぞれの国によっても、各々の人によっても違うことだ。メディアなどを利用して民意をコントロールすれば、国民総幸福量を意図的に高められる危険性も潜んでいる。ブータンの人の幸福が、日本の人の幸福と一致するとは限らない。
実際に二〇〇九年七月、イギリスのシンクタンク新経済財団(NEF)が、世界一四三ヶ国を対象に幸福度を調査した結果、トップに立ったのは南米のコスタリカ。ドミニカ、ジャマイカと南米諸国が続く。アジアでは中国が二〇位、韓国が六八位、日本は七五位。国内総生産では世界一のアメリカは一一四位。内戦など治安状況が悪くとも、貧困も含めて他国へ難民として逃れていようとも、幸福を強く感じる人たちはいる。
これは、『希望』というテーマにも通じる問題で、どのような指標を用いるか、基準値をどこに置くかで、希望の説得力は大きく変わってくる。提示した内容が、関わる人たちのコンセンサスを得られねば、どれだけ立派でも、お題目以上の値打ちはない。
企業の再生という意味で重要な示唆を得たのはD・カーネマンの行動経済学であり、セリグマンのポジティブ心理学、クルト・レヴィンの時間的展望の概念であった。また、クリステンセンの一連のイノベーションものも大変参考となった。いつものことながら、シュンペーターの「創造的破壊」という考え方も拠り所とさせていただいた。

大切にしたスタンスは、一般的な幸福論や希望論を語ることでなく、あくまで企業とそこで働く人達、経営者や従業員はもとより、顧客や取引先、株主や金融機関など、関わる人すべてにとっての『希望』を明らかにし、それを力に変えるプロセスを指し示すことであった。
ポルトガル人バルトメロウ・ディアスが到着し、「嵐の岬」と名づけたケープタウンは、ポルトガル王ジョアン二世により「希望の岬」と呼ばれ、今では「喜望峰」と言われている。失望が希望に変わり、絶望が展望に変化するように、自分と未来は変えていくことができる。明日への希望は、人間や社会を変革する力になれるのだ。
その根底に流れるのは、国民、あるいは企業人としてのアイデンティティであろう。経営として考えれば、企業文化の中核に脈々と受け継がれている暗黙知である。私たち日本人にとっては、古今東西の異なる発想を柔らかく受けとめ、創意工夫を重ねながら自分流にアレンジし、他と差別化を図る独創を発揮してきたということなのである。この知恵はいまや全世界に共通して用いることができるような気がする。
私たちには無限に開かれた明日がある。読者一人ひとりが希望の灯を見出せるように、筆者にとっては、この本を一言一句したためて世に問うことが希望の証である。想いが繋がり小さな輪が生まれ、湧き起こる活力が日本全土、否、世界に響き、やがて皆が幸福感を持って働く世の中になれば、筆者としてこれほど幸せなことはない。

最後に、この本の出版にご協力くださったすべての方々に感謝申し上げると共に、陰ながら協力してくれた妻や娘たちにありがとうを伝えて筆をおくことにしたい。

2010年5月
竹内 倫樹

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