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がんとお金の本_プロローグ
8月19日発売

プロローグ(はじめに)

まさか、私が「乳がん」なんて!

私が、乳がんの告知を受けたのは2009 年12月1日。40歳の冬のことでした。

きっかけは、その年の8月に自治体が実施したがんの集団検診。初めて受けたマンモグラフィ(乳房X線撮影)検査で見つかったのです。

もともと胸のしこりは感じていました。でも、娘が4歳になる直前まで授乳していましたし、「乳腺に古いおっぱいが詰まっているのかな…」くらいに思っていたのです。

それに、母乳育児をした女性は、乳がんのリスクが低いという知識もあったので、なんとなく「自分は大丈夫」と過信していました(乳がん告知後、「乳がんリスクが低くなるのは、もっと何人も母乳で育てた場合だよ」と知人の医師に言われました。中途半端な知識は持たない方がいいのかも…)。

父は、10年ほど前に膵臓がんで亡くなりましたが、特に、わが家はがん家系というわけでもなく、家族や近い親戚などに乳がん患者はいません。

元来、私のカラダは見た目以上に頑健そのもの。ファイナンシャル・プランナー(FP)としてフリーで長年仕事をしてきた賜物からか、多少の調子の悪さは、「ん? 気のせいか」で吹き飛ばす勢いで生きてきました。

そんな私がなぜ乳がんに!?

嫌な予感は大的中。がんとの長いお付き合いがはじまる

しかし、何となくイヤな予感はありました。

「『風邪も引かない!』などと、健康を豪語する人に限って大病することが多い」とよくいわれますが、まさに私はその典型的なケース。これまで、10年に一度くらいのタイミングで、たまったツケを強制徴収されるかのように、大病が襲ってきました。

直近では、20代後半の子宮筋腫核出術。そういえば、あれから10数年。周期的(?)に「もうそろそろ、なんか(大病が)来そう」という感じではありました。

しかし、乳がんとは! う〜ん、そうきたか! ってなもんです。

とにかく、「反省はしても、後悔はしない」が私のモットー。

どうして乳がんになったかをくよくよ悩むよりも、なっちゃったもんはしょうがない!

これから、どうがんと向き合っていくかを考えるべきだと、さっさと気持ちを切り替え、がんと私の長いお付き合いがスタートしたのです。

お金がなければ「がん」は、治せない?

がん告知を受けてから、手術を含めた治療が流れ作業のように行われていくわけですが、それが始まってからの私の正直な感想は…「がんって、お金がかかるのね!」でした。

私の場合、がん告知を受けた頃、ワケあって実家のある富山で母と娘の3人暮らし。ほぼ毎月、夫の住む千葉を行ったり来たりの、まさに「逆単身赴任」状態でした。

がん告知も富山の病院で受けたのですが、乳がんとわかってすぐに、「どうせ治療するなら症例の多い、安心できる病院にお願いしたい!」という夫の一言で、がん告知のショックを味わうヒマもなく、慌ただしく東京のがん専門病院へと転院することになったのです。

しかし、娘の保育園の関係もあり、すぐに引っ越しはできません。そのため2か月間は東京と富山を通院で往復することに…。

となると、往復の交通費だけでも、毎回2万円以上かかります。

その上、転院先の病院でも、がんの状態等を調べるためのマンモグラフィ検査や、超音波検査、細胞診、MRI検査などなど、再び検査の嵐です。ちなみにその病院では、MRI検査の費用は1万円〜1万2000 円くらい(装置の性能や造影剤の有無によって異なる)。

クレジット決済できない病院だったら、支払いが怖くて検査も受けられないトコでした。

一通り検査が終わると、手術とそれに伴う入院にも費用がかかります。もちろん、術後は再発防止のための治療費も必要。

とにかく、何をするにもお金が出ていくばかり。その一方で、自由業だけに、仕事をしなければお金は1円たりとも入ってきません。

ホント、お金がなくちゃあ、うっかりがんにもなれないわ、とシミジミ実感しました。

FPの私ががん患者になってみてわかったこと

ところが、こんなにもがんは金食い病なのに、自分ががん患者になって調べてみると、「がんとお金」に関する資料がほとんどないことに気がつきました。

おおまかにいって、がん患者が直面する課題として、①カラダ(治療に関する医療情報など)、②ココロ(がん患者のメンタル的なケア)、③経済的負担(就労、医療費負担など)という3つの問題が挙げられます。

このうち①と②に関する書籍や情報はたくさんありました。というか、ありすぎて、選択できないくらいです。

ところが、③に関する情報は、最近ようやく巷で取り上げられるようになってはきたものの、まだ十分とはいえません。

というわけで、「それならば!」と思い立ち、日頃、FP としてライフプランやマネープランのアドバイスをしている私が、実際に乳がん患者になってみてリアルに実感したことや疑問に思ったこと、そして、何より、みなさんに知っておいて欲しい「がんとお金」に関することを、ぎゅーぎゅー詰めたのがこの本です。

本書が、自分や家族ががんになってしまった方、将来、もしがんになった場合にお金のことが心配な方々にとって、その不安や問題を少しでも解消し、治療に専念できる手助けになれば、これほど喜ばしいことはありません。

2011年7月 黒田 尚子

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